Wednesday, September 23, 2015

私的スコットランド戦プレビュー

スコットランド戦は、日本時間で本日(9/23)の夜。
さてと、ちょっと予想してみようかな。
いや、正確には希望的観測に基づく推論なのだけれど。

まず、スコットランド。
おそらくは極めてオーソドックスなラグビーをしてくるんじゃないか。複雑に仕込まれたプレーというよりも、シンプルに強さを出すことを考えてくるような気がする。ジャパンを意識するとなると、アジリティとエリアの2つを奪い取るのが基本的な戦略になってくるだろう。アジリティという観点では、パワープレイ。いわゆる重馬場の勝負。モール等もそうだが、ブレイクダウン全般に拘ってくるのではないか。そして、ボールを下げないアタック。ジャパンはディフェンスの出足が早いので、特に前半はボールを下げずに、個として強いプレーヤーをシンプルに当ててくると思う。ジャパンが中3日という点もふまえ、徹底的に削りにかかるというのが、私の個人的な見立てだ。ただ、これはおそらくジャパンからすると守りやすい。よって、結果的には我慢比べになっていくかもしれない。
もう1点のエリアマネジメントについては、「五郎丸に蹴らせない」というのがまずはポイントになってくるだろう。つまり、五郎丸にハイボールを上げるか、もしくは少なくとも彼の正面には蹴らない。キック自体は、特に自陣では多用してくるような気がするが、どのような種類のキックを、どこに落としてくるかは見所の1つだろう。南アの敗因の1つは、五郎丸のキックによって自陣での時間帯が想定よりも長くなり、かつそこでペナルティが続いたことだとおそらく考えていて、ブレイクダウンでの徹底勝負を厭わないといっても、自陣ではNo Penaltyが最優先になってくるはずだ。

対するジャパン。
おそらくロースコアゲームになるという覚悟をしていると思う。なぜなら、スコットランドのようなチームが、対戦相手に対する最大限のリスペクトと周到な準備をもってゲームに臨んでくるということの意味を、誰もが知っているからだ。ただ、それでもジャパンは特に気負うことなく、ベストパフォーマンスで戦ってくれると思う。もうこのゲームは、最初から格など関係ない。
ディフェンスは、南ア戦でかなり計算できている。ここはプランを細かくアジャストしていくというよりも、選手交替を含めて、80分間をいかに我慢するかがポイントだと思う。その意味では、やはりエリアマネジメントが肝だ。キックの効果的な活用は、ジャパンにとっても生命線になる。
アタックは、予想するのが難しい。天候にも依存するだろう。ただ、クイックテンポの重要性は当然ながら変わらない。サインプレーは、まだ隠し球を持っているような気がするけれど。ちなみに、個人的に注目しているキーマンはセンターの田村だ。小野の軽傷がなかったとしても、かなり面白い人選ではないかと思っている。なぜなら、(おそらく、非常によい意味で)ふてぶてしいからだ。こういうゲームは、15人全員が真摯に自分たちのスタイルに集中しながらも、どこか不敵なプレーヤーがいた方がいい。時にそれは、リーチでも五郎丸でも、あるいは田中でもないだろう。

前半、まずはジャパンがスコアで先行する。心からそう願っている。
早い時間帯にトライを奪えればベストだが、ペナルティでも何でもいい。そして、10-3くらいのイメージで前半を折り返す。2トライまで行ければ、前半で15点が見えてくるが、まずは10点がターゲット。
こうなったら、ジャパンだ。スコットランドはスターターのうち12人が初のW杯出場。ビハインドでハーフタイムを折り返すと、若さが強引さに変わる。もちろん、そこをコントロールする老獪なリーダーが、チーム内にはいるはずだ。でも、後半10分を越えてきた頃に、リーダーシップでの統率が徐々に切れてくる。戦略的パワープレイが焦燥的パワープレイにその様相を変えた頃が、福岡で勝負するタイミングだ。ここからきっと、ゲームは大きく動き出す。

もう、ここまで来ると予想でさえなくなってきた。
いずれにせよ、きっとジャパンは「特別でない」ゲームをして、誰もがもはや特別と思わないような展開で、勝利の雄叫びを上げてくれるはずだ。