Tuesday, July 30, 2013

『半沢直樹』

今日は所属部門の歓送迎会だったのだけれど、TBSドラマ『半沢直樹』が結構な話題になっていた。おれも妻の誘いに乗って一緒に観ているのだけれど、実際のところ、かなり面白い。池井戸潤の原作も売れているようだけれど、3話まで乗せられてしまうと、むしろ先に原作を読んでしまうのが勿体ない気がしてきてしまう。
でも、実はこのドラマを観ていると、ちょっとだけ気が重くなる部分もあって。会社員の悲哀というか、結構、痛いところを衝いてくる感じがするんです。もちろんドラマなので当然ながら脚色されているにしても、似たようなことは実際の企業社会でもある訳で。例えば「銀行は人事が全て」という渡真利の台詞は、銀行に限った話でもないのだから。

人事は組織運営の要諦だと思う。人事が全てというのは、ある意味で嘘じゃないとも思う。そうであるならば、人事を巡る人間模様や駆け引きがあるのも当然で、別に白河の清い流れを夢想する気もない。でも、目的を失った「人事のための人事」とでもいうようなものが、そして人事に明け暮れる組織というものが確かにあって、そこに若干の重苦しさを感じてしまう。エンドユーザー、顧客が置き去りにされた壮大な無駄。そうとしか言いようがない不毛な人事戦争は、ドラマだけでもないのだということに。

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Monday, July 08, 2013

プログラムの背景

ちょっと遅くなってしまったけれど、先日開催された社員研修@横浜のことを。

7月4日(木)、5日(金)の2日間、約4,000人の社員が参加した大規模なプログラムが催された。基本的には研修なのだけれど、感覚的には「イベント」といった方が近いかもしれない。まあ、なかなかの規模だった。膨大なコンテンツがすべて英語だったこともあって、参加する側としても正直かなり疲れたけれど、これくらいの規模になってくると運営側も相当大変だったのではないかと思う。2日間、朝から晩まで各方面に気を廻し続けて、おそらく研修に参加した社員以上にキツイ時間だったはずだ。こうした縁の下を支えてくれる人たちの存在があって、初めて社員は成長の機会を与えられる訳で、まずは何よりも感謝したい。

4,000人の社員が、2日間にわたって英語で研修を受ける。
チーム単位でのワークショップでも、英語で資料を作成する。
ランダムに選ばれたチームは、5分程度のプレゼンテーションをする。もちろん英語で。
初日、2日目共に、エグゼクティブやら特定の分野の専門家やらの講演をひたすら聴く。
もはやイングリッシュ・シャワーの世界だ。
さて、研修効率としてはどうだろうか。

考えるまでもなく、低いに決まっている。外資系とはいえ、研修効率を全く阻害しないレベルの英語力を備えている社員なんて、ほんの一握りしかいない。コンテンツに対する理解を深めて、短期的にスキルアップを図るならば、すべて日本語の方が圧倒的に効率的だ。プレゼンテーションにしても、そもそも日常業務で英語を使う機会が一切ないような人にとっては、ワークショップの充実度など全く関係なく、ただの英語プレゼン実習になってしまう。スキルアップも何も、あったものじゃない。

私自身、この2日間で聴いたスピーチについて、どこまで理解できているかと問われると、正直、全く自信がない。ネイティブ・スピーカーは日本人の英語力を基本的に信頼していないはずなので、かなり配慮してゆっくり話してくれているのは間違いないのに、それでもきちんと聴き取れないって、ちょっとマズイよなあと思ってしまった。(大きな声では言えないが、ところどころ睡眠学習になってしまったのも事実だ。)

そもそも、英語/日本語を問わず、2日程度でスキルは劇的に上がらない。
もちろん、対象を絞り込んで、現状のレベルに応じたベストフィットのプログラムを組めば、2日間で得られる効果はもっと高いのかもしれない。でも、今回の研修参加者は4,000人。要するにマスが対象だ。4,000人の集団全体が、2日間でぐんと一段レベルアップするというのは、なかなか想像しづらいシチュエーションだ。もちろん、それでもやり方はあるのかもしれないけれど。


でも、そんなことは主催者側(つまり会社)も分かっているはずなんだ。
最初から、今回のプログラムでマスが劇的に変わるなんて思っていない。それでもすべて英語の研修を4,000人規模で実施しなければならないと考えた理由があるはずで、そこを掘り下げておかないと、自分自身にとって、今回の研修の意味が相当に薄まってしまうような気がする。

プログラムのあり方を云々するのは簡単なのだけれど、ゼロから考えるのは難しい。
「じゃあ、やってみろよ。4,000人のスキルに変革を起こすために、オマエは何をプランできるんだよ」と言われて、対案を出せない時点で、ただの居酒屋トークになってしまいそうだ。

そんな訳で、横浜線に揺られての帰り道は、つらつらと対案を考えながら。
そして、実際にやってみると、これがなかなか難しいのです。

Tuesday, July 02, 2013

『歩く人。』

歩く人。 長生きするには理由がある
  • 作者: 土井龍雄, 佐藤真治, 大西一平
  • 出版社: 創英社/三省堂書店
  • 発売日: 2013/6/20

本日読了。
2011年、あの3.11の3日後に設立された一般社団法人「OVAL HEART JAPAN」の活動として始まったウォーキング・プログラムを紹介した1冊だ。ちなみに、OVAL HEART JAPAN設立をリードされたのは、私が社会人ラグビー時代に所属していたチームのヘッドコーチだった大西一平さんだ。

3.11以降の大西さんの動きは、本当に早かった。
OVAL HEART JAPANは、大西さんが中心となって復興支援の想いに賛同した多くのラグビー関係者(プレーヤーのみでなく、ラグビーを愛する人達すべてが含まれているのだと思う)によって立ち上がったプロジェクトで、東北被災の直後から、Facebookやメール等で拡散していった。

そのOVAL HEART JAPANの活動の中で、仮設住宅での暮らしを余儀なくされて、運動もままならない被災者の方々のための健康促進プログラムとしてスタートしたのが、本書のタイトルにもなっている『歩く人。』だったそうだ。そう言われてみると、確かに「歩く」という行為は、人間生活において、すごく基本的かつコアな要素を担っていると思う。私自身、普段はずっとオフィスワークをしているので、座っている時間が多いのだけれど、誰だったかに「そもそも、人間がこれほど長い時間を座って過ごしているのは、歴史上、現代だけだ」というようなことを言われて、妙に納得した記憶がある。実際、オフィスワークといってもじっとしていられない私は、電話1本かけるのにも、すぐに席を立ってぶらつきながらになってしまうのだけれど、その方がなんとなく気持ちよかったりもする。なんて、ちょっと話が逸れてしまったけれど、「歩く」というのは、被災者の方々に限らず、ごく当たり前の日常を過ごしている多くの人にとっても、改めて見つめ直してみていいものなのだと思う。

まあでも言えるのは、大西さんは完全に「走る人」です。
ラグビーのグラウンドにおいても、グラウンドの外においても。
それも、並外れたスピードで。