ふりむくな、ふりむくな、後ろには夢がない。 ー 寺山修司『さらばハイセイコー』より
4月4日、水曜日。
遠くIBM Germanyから来てくれたSalvatore Romeoというイタリア生まれのSMEと一緒に、丸の内のお客様をコールしてきました。
時刻は午前11時。有意義なコールを終えたばかりの、JPタワーの車寄せ。この後、箱崎で予定しているお客様とのワークショップは13時スタート。
まずはランチでも、なんて考えていると、ふと聞かれたんです。「日本に行くなら桜を見てきなよって友達に言われてさ。どこか良い場所あるかな」って。"Sakura"は9,000kmも彼方のドイツでもやはり有名なんですね。
さてと、桜のシーズン。今年は寂しい別れも多くありました。
でも、一方で新たな出会いもあって、もう後ろを振り向くことも、その必要性も、私の中ではなくなっています。
私たちの事業部にも、2人の新入社員が来てくれました。もう覚えてもらえましたか。4/1から、私たちの仲間です。22Fで見かけたら、気軽に声をかけてあげてください。
2人のアドバイザーと共に、私も一緒になって5人で成長していきたいと思っています。一緒に輪に加わってくれる方がいるなら、いつでも大歓迎です。
後ろには夢がないけれど、この5人には前しかありませんので。
そういえば、最近こんなことがありました。
私は今年から大学ラグビーのヘッドコーチをしているのですが、キャプテンを中心とした首脳陣が課していたウェイト・トレーニングの目標値を3月末までに達成できなかった選手が、5人いたんです。
主将は2月にシーズンインした際、「目標に届かなければ、一定期間の練習参加を禁止する」とチームに宣言していました。でも、本当にノルマ未達成の選手が5人も出るとはおそらく考えていなかった。
貴重な戦力を5人失う。本当は一緒にグラウンドに立ってほしい。でも、俺たちは簡単な気持ちでこの宣言をした訳じゃない。深い葛藤が、首脳陣メンバーを苦しめて。
その後、チームはどうなったと思いますか。
あるいは、皆さんならこの状況でどうすべきだと思いますか。
決めたことを安易に撤回すれば、リーダーの言葉は重みを失う。そうかもしれません。
一方で、結果はともかく一生懸命やってきたヤツらだったのだとしたら、過去の宣言にこだわらなくてもいいんじゃないか。当然、そんなアプローチもあるかもしれません。
でも、私としては思うんです。どちらにしても過去のことだと。
5人に改めて伝えるメッセージは、「達成できなかった過去」ではなくて「達成できれば叶うかもしれない明日」なんじゃないかなと。ペナルティを課すにしても、あるいは撤回するにしても。
新入社員の2人とは、「前にあるもの」を共有したいと思います。
事業部の皆さんからも、2人が明日きっと経験することを話してもらえれば嬉しいです。後ろには、夢がありません。