『関口知宏のファーストジャパニーズ』というNHK-BSの番組、知っていますか。
5月10日、日曜日。
再放送で、5月のファーストジャパニーズを観たんだ。
ドバイで活躍する建築家、丸山剛史さんの人生の物語だ。
http://www.nhk.or.jp/fjpn/0905/fjpn.html
とても感動した。
心の奥にそっと、これ以上ない優しさで手を差し伸べてくれるような。
丸山さんの言葉、佇まい、身構え、雰囲気、目の色、全てに心洗われる思いだった。
彼に新しい居場所をくれたボスの言葉も最高だった。
「君と一緒にいると、とても居心地がいいんだ」
大企業の論理と現場との葛藤に苦しみ、不況の荒波にあってプロジェクトが何も実現せず、自信を失いかけた時に、新しい場所へと踏み出す勇気をくれた言葉。当時のことを思い出しながら語る丸山さんの言葉を聞いていて、そして一時は精神的に追い込まれゼロまで落ちたというその深い苦しみと、そこに差し込んだ一筋の光の暖かさを想像して、自分さえも「光」をもらったような気がした。
安直な言葉だけれど、勇気づけてもらっているような気がしたんだ。
勿論、丸山さんの設計する建築自身も魅力的だった。
非常にスマートで無駄がなく、それでいて無機質でない洗練された表情のビル。
人工都市ドバイにあって、自然へのリスペクトと調和をコンセプトに据えるスタンス。
ドバイには行ったことがないけれど、その機会が来たら、実物を見に行きたい。
そこに沸騰都市ドバイを象徴する絢爛はないかもしれないけれど、でも貴重な何か、「丸山さんという生き方」が宿した何かを、きっともらえるような気がするんだ。
本当に素晴らしかった。