Sunday, August 05, 2007

くるり

随分久しぶりに、1枚のCDを買った。
くるりのニューシングル『言葉はさんかく こころは四角』なんだけどね。
http://www.jvcmusic.co.jp/quruli/index.html

銀座四丁目の交差点を歩いていたら、角のビルに掲げられた液晶スクリーンがGolden Circleの『ミュージック』のPVを流していたんだ。以前に書いたけれど、Golden CircleのドキュメントをTVで観たことがあったので、その時に感じたなんとも人間らしいやさしさのようなものを思い出して、山野楽器に足を向けた。
1FのJ-POPコーナーをぐるっと廻って、『ミュージック』のシングル盤を見つけ出して、ヘッドホンを耳に当てて試聴して。1分に満たない程度のイントロしか聴けないのだけれど、それでもユーミン作曲のメロディが流れ込んでくると嬉しくてね。
そんなふうにして音楽を聴いていた時に、ふとこのCDが目に飛び込んできたんだ。

学生時代、くるりは大好きだったんだ。『東京』なんて1,000回くらい聴いた。だから、CDショップに足を向けると、自然に目で追ってしまうグループの1つではあるんだ。
ちょうどGolden Circleの傍の棚に並んでいたこのニューシングル。
すぐに惹かれてしまった。
もっと正確に言うと、試聴する前に、もう惹かれていた。
そして聴いてみて、更に好きになった。

くるりらしいタイトルも悪くないけれど、何よりもまず、ジャケットの写真が素敵だ。
(タイトルロゴのフォントと配置は間違っていると思うけれど。)
自宅に戻ってから調べてみると、鳥巣佑有子さんという写真家の作品とのこと。
鳥巣さんのことは恥ずかしながら全く知らなかったけれど、素敵な写真を撮るよね。
"angle management produce"で、鳥巣さんの他の作品も見かけたけれど、透明感があって、やさしい光の写真という感じがするね。綺麗で、澄んでいる。

勿論写真だけではなくて、曲も素敵だ。
1曲リピートにして、今もこの文章を書きながら、ずっと聴いている。
くるりの岸田繁さんはきっと、やさしい人なのだと思う。
やさしさの意味は人それぞれかもしれないけれど、少なくともおれはそう思うんだ。
繊細で、そっと包んでおかないと壊れてしまいそうなものを大切にする人。
自分自身に目を向けると、恥ずかしくなってしまうけれど。

やさしさに溢れた作家に、ジャンルを問わず魅力を感じて、惹かれていくんだ。
アラーキーや北野武は、おれにとって典型的な「やさしい」存在。
自分が撮り溜めている写真に、そんなやさしさがいつか写っていれば、すごく嬉しい。