昨日は名古屋大ラグビー部の定期戦だった。
名阪戦と呼ばれる大阪大とのゲームは、春シーズンの最も重要なゲーム。昨年は敗戦しているので、今年は雪辱を果たしたかった。
でも結果は、7-15。
8点の差は、埋まらなかった。
試合後に感想を聞かれた選手達は、不完全燃焼だとこぼした。自分達の実力や、練習してきたことを出し切れなかったと。周囲の人間も「勝てる相手だった」と話していた。自分達のラグビーをきちんとできれば、絶対に勝てたはずだって。
でも、俺は思うんです。
それができないのが、今のチームの課題だよって。
自分達の実力というのは、「グラウンドで表現できるもの」のことで、試合で表現できないのは、厳しい言い方をすれば実力がないからだよ、って。
みんな、どこかで逃げてしまうんだ。
「本当はもっと実力があるのだけれど、うまく発揮できなかった」という総括は、8点分の実力差だったという現実から、ある意味で目を逸らしているんです。
持っているものの全てを発揮するということは、思っているほど簡単じゃない。日々の練習で全てを出し切る姿勢、試合のためにベストの準備を怠らない生き方、そういうものがあって初めて出来ることなんだ。
それをきちんとできるのが、本当の実力。
できないのもまた、実力なんです。
この日の選手達のプレーは、決して悪くなかった。ゲームの綾を失う残念なプレーも幾つかあったけれど、総じて気持ちの入ったパフォーマンスだった。
それでも、届かなかった8点。
ここから、逃げちゃダメなんです。
この8点を埋めるために、明日からの日々に全力を尽くすことこそが、ラグビー部の醍醐味なのだから。