Wednesday, August 07, 2019

Jargon

ここ最近、仕事をしていて知識のアップデートが必要なことが非常に多い。
これはIT業界の常でもあって、今に始まったことではないのだけれど、Red Hat買収のアナウンスメントに前後して、明らかに環境が変化してきているのを感じる。環境というのは、業界全体としてのテクノロジートレンドも当然だけれど、そうした中での自分自身の立ち位置であったり、役割やミッションであったり、つまりは"my business"のことだ。

端的に、かなり面白い流れになりつつあると思っている。
毎日のように知らないことに出会うからだ。
こんなことをblogに書いてしまうと怒られそうだが、ビジネス・マネジメントばかりに躍起になっている場合じゃない。幸いにも社内外で素晴らしいアーキテクト/エンジニアの方々と一緒に仕事をする機会に恵まれているのだから、徹底的にのめり込まないと勿体ない。IBMは明らかに変わろうとしていて、それが戦略的に上手く行くかどうかは正直分からないが、会社が変革するから自分が変わる訳じゃない。新たなテクノロジーやソリューションに対して、そのReadinessが確定してから行動するのではなくて、自分で確かめるアプローチをどこまで志向できるかで、今後、自分自身が出来ること、あるいは組織の中で果たして行けることは大きく変わってくるような気がしている。

ところで、IT業界にはジャーゴン、あるいはバズワードがつきものだ。
最近だとSOAとマイクロサービスは何が違うのかとか、多大な投資を行って整備してきたSOAPのバックエンド連携をAPI化することに必然性はあるのかとか、疎結合化/共通コンポーネント化など10年以上前から言われていることだとか、データレイクと称してステージングレイヤーに大量のデータを重複保持させて、エンタープライズレベルでのデータ・プラットフォームは本当に最適化の方向に向かっているのかとか、まあそういう類の話が社内外で常に話題に挙がってくる。とにかく日々キャッチーなコンセプトが登場し、それは本当に新しいのかという懐疑論が差し挟まれ、モノによっては「2年後には用語自体が消えているだろう」という冷めた見方が広がり、一方でそれなりにコンセプトが浸透してくると5年前の類似コンセプトを引きながら「要するに」で語れるポイントだけを頭に叩き込むような、そういう流れを辿ったITトレンドは枚挙に遑がない。

でも思うのは、そういう玉石混淆のITトレンドの"Why"には、自分自身の思考をアップデートする上で結構なヒントがあるということだ。バズワードだったとしても、バズワードが求められたテクニカルな背景はあるものだ。それを自分で調べてみて、アーキテクトに聞いてみる。このプロセスが本当に面白く、そしてこのプロセスは結果として、ITに関する知識の習得だけではなく、コアの思考力そのものに繋がっていくような気がしている。更に面白いのが、コードを書いたことのない人間であっても、ITインフラを構築したことのない人間であっても、やはりその視点からの「思考の余地」が必ずあることだ。

そんな訳で、IT業界の営業というのも、やっぱり相応に面白い。
時にITゼネコンと揶揄されるような会社だったとしても。
まあでも、エンジニアはもっと面白そうだという潜在意識は、常に消し去れないね。