Sunday, May 25, 2008

マリオ・ジャコメッリ

久しぶりに日曜美術館を見たんだ。
「この人が語る私の愛する写真家 辺見庸 私とマリオ・ジャコメッリ」
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2008/0525/index.html

ジャコメッリはプロの写真家ではない。
週末にカメラを持つアマチュア・カメラマンだったそうだ。
すべてモノクロームのプリント。
時に粗く、時に鋭く、時に静かで、時に激しい。
印象的なプリントだった。

辺見庸さんの視点には、心に深く問いかけてくるものがあった。
思ったのは、「簡単に分かってはいけない」ということだ。
辺見庸さんは2004年、講演中に脳出血で倒れ、長期入院生活を送ることになる。
その時の経験が、辺見庸さんの問いかける視座の根幹にあるのだと思う。
ジャコメッリの写真には、一面的でない訴求力の深みがあって、歳月を経た後にそのプリントをもう一度目にしたら、きっと自分への立ち現れ方は異なっているだろう。
決して辿り着かない深みのようなものを、強烈に感じさせるプリントだった。

写真というものを、改めて考えさせられるね。
実際のプリントを見てみたかった。