HONZで仲野先生がレビュー済の1冊。
いやこれは、もう完全に面白かった。超おすすめです。
朝日新聞「悩みのるつぼ」に寄せられた様々な悩みごとに、回答者の1人である岡田斗司夫が実際に答えた内容と、そこに至るまでの思考プロセスをまとめたものなのだけれど、単純な面白さを越えて、その凄さに唸ってしまうほどだ。
自身の思考プロセスをここまで自覚的に捉えて、意識的に構築し、その上で熟成させ、ふとした瞬間に訪れる思いつき(ある意味プロセスに落とし込まれない偶発的要素)までを考慮に入れておくというのは、かなり凄いレベルの作業だと思う。その面白さは、「なんとなく」生まれてきているわけではなくて、90%の計算された思考と、10%の計算で落とし込まれないエッセンスとの絶妙なブレンドなのかなという感じだ。
ただ、そんな堅苦しいものばかりが本書の魅力ではない。 というよりも、全ての回答が、とにかくシンプルに面白い。そして、そもそも寄せられた悩みそのものも、(投稿した当事者は本気で悩んでいるわけで、失礼な話ではあるけれど)かなり面白かったりする。モノによっては、「それでも本気なんだよなあ」なんて想像するだけでも、ちょっと人生というものが味わい深くなってくるんじゃないか。
そんな訳で、岡田斗司夫が運営している風変わりなSNS「クラウドシティ」にも、俄然興味が湧いてきてしまった。『すべての「理屈っぽい人」のために・・・』って(笑)。まるでプライベートに呼びかけられているような気がしてきます。