Monday, October 09, 2006

豪徳寺

タマリバの練習を終えた後、豪徳寺を訪ねた。
学生時代の5年間を過ごしたこの街も、訪れるのは5年振りだ。

小田急線のホームに降り立って、駅の改札を出た途端、驚いてしまった。
駅前の一角が、当時とまったく違う街並になってしまっていたんだ。
マクドナルド。タリーズ。サンマルクカフェ。デニーズ。当時はなかったチェーン店が駅前に乱立していた。その一方で、当時よく晩飯を食べたキッチン南海は潰れてしまっていた。自転車の駐輪場が経堂へと向かう線路沿いに整備されて、路面の舗装も大幅に進んでいて、総じて綺麗になっていたように思う。
ただ、なんだか匂いがなくなってしまった。
どの街も同じような風景になっていく。経堂でなく、梅が丘でない豪徳寺があってもいいじゃないかと、おれなんかは思うのだけれど、時代の必然なのだろうか。路地を少し分け入っていけば、当時とそれほど変わらない懐かしい街並が残っているのだけれど、プラスチックのような質感の覆いかぶさるエリアは、時間の経過とともに、今後もっと広がっていくことだろう。少し寂しかったりもするけれど。

Cafe Djangoにも立ち寄った。学生時代に何度か足を運んだ喫茶店。
ここは変わっていなかった。マスターの表情も5年前と変わりなく、昔からの空気が店内に上手に閉じ込められているような感覚だった。豪徳寺が誇るお洒落な喫茶店だと勝手に思っているのだけれど、相変わらず上品で居心地の良い空間だった。
昔はバニラリキュールをほんの少し加えたエスプレッソがあったんだ。初めて飲んだ時の感激が忘れられず、メニューを探したのだけれど、今はもう扱っていなかった。絶妙な香りとほのかな甘みがあって、本当に美味しい珈琲だったので、楽しみにしていたのだが、ちょっと残念。マスターにその話をしたら、「よく覚えてますね」と懐かしそうな笑顔で応じてくれた。人柄の伝わる優しい表情。とても嬉しかった。
またいつか、立ち寄ろう。数ヵ月後かもしれないし、数年後かもしれないけれど。
http://www3.ocn.ne.jp/~flower/django.html