Sunday, August 05, 2012

クーリエ。そしてブータン。

久しぶりにクーリエも買ってみた。
特別付録CD『一度は聴いておきたい最高の作曲家10人(The Greatest 10 Composers)』なんかもあって、かなり楽しめる1冊だ。読み応えがありすぎて、なかなか通読できないのだけれど、クーリエは(雑誌、編集部ブログ共に)いつも新鮮な驚きがあって面白い。
例えば、『ブータンは本当に「幸せな国」なのか』というレポートがある。GNH(国民総幸福量)という独自の指標を掲げるアジアの小国、ブータン。2005年の国勢調査において、97%の国民が「幸せ」と回答したことは有名だが、その調査がどのようなものだったかは殆ど知られていない。編集部ブログ(http://courrier.jp/blog/?p=12123)から引用してみよう。

『この質問は、自分の幸福度を「とても幸せ」「幸せ」「あまり幸せでない」の3つから選ぶという単純なものでした。5段階でもなく、4段階でもないというところが一つのポイントです。「ふつう」を選びたい人は、「幸せ」を選ぶしかないようです。
(中略)97%というのは、じつは「とても幸せ(very happy)」と「幸せ(happy)」の両方の回答をあわせた割合です。』

その後、2010年の国勢調査では全く異なる調査方法が採用され、結果として「幸せ」な国民の割合は41%にまで激減している。そのカラクリは、編集部ブログに詳しいけれど、こうしたことひとつを取ってみても、メディア・バイアスは相当なものがある。
本誌記事はそんなブータンの実情を、写真を交えながら豊富な文量で紹介していて、なかなか考えされられるものがある。「難民キャンプ」「反政府武装勢力」といった、一般的なブータンの印象とマッチしない言葉が、今、どういう意味を持っているのかということを、正面から語っている良記事だと思う。

なんてことを、付録CDを聴きながら書いてみたのだけれど、このCDもなかなか聴き応えがあっていいですよ。(まあ、クラシックはほぼ門外漢だけど・・・。)