Wednesday, September 26, 2012

バレエシューズ



昨日のこと。

バレエを習いたいと言っていたハンナ。
パートナーが、近くのバレエ教室に連れていってあげた。体験コースに参加させてあげようと。

体験コースとはいえ、最低限の服装を用意する必要があって。
幼稚園の体操服だったり、普段着のワンピースという訳にもいかないようで、色々考えた末、手軽な値段のバレエ服とシューズ、それからバッグを買ってあげることにした。
まだ入会前ではあったけれど、ハンナを連れて一緒に見学もしてあって、その後もハンナは「バレエやりたい!」と繰り返していたので、その言葉を信じて、ささやかなプレゼントとして。

でも、ダメだった。

初めての体験コース。ずっと頑張って、一生懸命に初めてのバレエをしていたハンナは、その日のコースが終わる間際になって、突然、ぽろぽろと泣き出してしまったそうだ。
「もうやだ・・・。帰りたい」って。
その場にいなかった俺は想像する他ないのだけれど、何かきっかけがあったのかもしれない。
ずっと我慢していたけれど、最後の最後になって、何かが溢れ出してしまったのかも。
そして泣きじゃくって、母親に気持ちをぶつけて。

パートナーもショックだったようで、とても落ち込んでいた。
下見もして、ハンナの意志も確認していたのに、って。
仕方のないことだし、誰のせいでもないのだけれど、それでも落ち込んだりするのがヒトだよね。


きっとそれは、子供と一緒に生きていれば、普通にあることなんだと思うんだ。
小さなことなのかもしれない。
やってみたら、やっぱりイヤだった。起きたのは、ただ、それだけのことだから。

でも、そうじゃないんだ。
やっぱりそれは、小さなことではないんだよね。
パートナーは、ハンナのことを一生懸命に考えてくれたのだから。
そしてハンナもきっと、一生懸命に泣いたのだから。
小さな身体と、まだ小さなキャパの心を振り絞って、一生懸命に泣いたんだよね。


同じようなことが、今後もあるかもしれない。
ハンナの人生を決めるのはハンナ自身で、どこまでいっても親ではないはずだから。
最後は、本人が決めればいい。
でも、パートナーがハンナのことを思ってくれているという事実は、大切にしてあげたい。
結果として、ハンナの選択が親の思いとは違っていったとしても、そこにパートナーのやさしさがあったということを、きちんと家族で受け止めていってあげたい。


またどこかで、バレエシューズを履きたくなるかもしれないよね。