Sunday, July 01, 2012

『勉強上手』


勉強上手




  • 作者: 成毛 眞

  • 出版社: 幻冬舎

  • 発売日: 2012/6/28


勉強本は、いい加減もう卒業でいいかなと思っている。
最近はビジネスパーソンの間でも勉強ブームで、書店のビジネス書コーナーには、もう辟易してしまうくらいに勉強本が乱立しているのだけれど、勉強本を読む時間を利用して勉強した方がいい。それに、そもそも「勉強」という言葉そのものが、ビジネスパーソンの日常と感覚的にあまりマッチしないよなあと思っていた。
そうしたら、本書に全く同じことが書いてあった。
ちなみに本書を購入したのは、勉強本を探していたからではなくて、ただ成毛眞さんの著作は原則として購入している、というだけだ。成毛眞さんはご存知の通り、マイクロソフト日本法人の元社長で、幾つかの著作が刊行されているのだけれど、基本的にどれも痛快で面白い。肩肘張って読むタイプの本ではなくて、どちらかというと娯楽として読む類のものを書かれている。

本書の中で、幾つかの勉強本が紹介されているのだけれど、それぞれに対する成毛さんの評価がまた秀逸だ。本田直之『レバレッジ勉強法』に対しては、「成功者はこんな勉強法は絶対にしない」と断言している。そりゃそうだ。俺は成功者でも何でもないけれど、それでもきっと成毛さんの言う通りだろうと思う。ビジネス書をこつこつ読んで、通信教育に通って資格を取って世界を変えた大物なんて、聞いたこともない。小山龍介『STUDY HUCKS!』に対しては、「この本で紹介している方法をすべて試したら、コストはハンパない」といって、ネタとして愉しんでいる。iPod、ノイズキャンセリング機能付ヘッドホン、ICレコーダー、モバイルパソコン、モレスキン、はさみとのり、100円ノートというのが「最強の7つ道具」なのだそうだ。その他、本書では、「勉強にきくハーブティー」、「黄色いものを周りに置く」、「お経を聞いて集中する」などといったTipsまで紹介されているらしいので、ある意味興味深いのは間違いない。

本題から逸れてしまったが、成毛さんの主張は(一見すると)非常に尖ったものなので(個人的には至極真っ当なものだと思うけれど)、馴染まない人も少なくないような気はする。ただ、この程度のスタンスで、肩肘張らずに「勉強」したいものです。そして当面は、色々と片っ端から「本を読む」でいいかなと。