Sunday, July 22, 2012

「奈良美智:君や僕にちょっと似ている」

久しぶりに美術館に行ってきた。
「奈良美智:君や僕にちょっと似ている」@横浜美術館。
http://www.nara2012-13.org/exhibition/

素直に、とても良かった。「あれ、マヒロちゃんに似てるよね」とか「いやいや、ハンナには全然似てないよ(笑)」とか言いながら、肩肘張らずに作品を楽しめて。

奈良美智さんの描くキャラクターは、どれもがかわいい訳ではないと思うのだけれど、確かにぐっと惹きつけるものがあるよね。ちょっとした崩れや小さな歪みなんかも、観る側をそわそわさせるものではなくて、ある種の愛嬌になっていて。
率直な感想として、デッサンやラフスケッチの展示はさほどでもないかなと思ってしまったところもあるけれど、完成されたアクリル画の数々は、やはり素晴らしかった。

会場もそんなに混んでいなくて、展示も十分な数があって、見応えのある展覧会だと思う。まあでも、本音を言ってしまうと、奈良美智さんのようなタイプのアートは、もっとくだけた愉しみ方でもいいような気はするかな。美術館って、皆が押し黙って作品を鑑賞して、感想を言葉にするにも声を潜めなければいけないような雰囲気があるけれど、もっと気楽に、格調を求めずに観ることができれば、より愉しいかもしれないなあと思ったりもする。「アタシの若い頃は、まあこんな感じよね」みたいな明るいジョークが会場に満ち溢れるような感じがいいよなあ、なんて。

ちなみに、常設展もざっと観たのだけれど、こちらもかなり良いです。
写真の展示も結構な数があるのだけれど、木村伊兵衛や土門拳の撮ったポートレート作品なんかはかなり楽しめます。上村松園、川合玉堂、中川一政、藤田嗣治といった凄い顔ぶれは、時代の迫力を感じさせてくれます。