Monday, July 23, 2012
『あなたの知らない愛知県の歴史』
最近は新書レーベルの乱立が凄まじいが、本書もそんな新興レーベルの1冊。
洋泉社の歴史新書。洋泉社HPを見ると、今年の1月から刊行されているようだ。本日現在、刊行は7点。今後の展開はどうだろうか。
(話は逸れるが、『下山事件』のレビューを書いて以来、「れきし」の漢字変換が「轢死」になってしまった。。今日をもって、この不吉な誤変換も卒業かなと。)
さて、愛知県。俺の生まれ育った場所。
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康という戦国の3傑を輩出した地。
世界のトヨタを擁する日本製造業の一大中心地。
実は寺院数が日本一(神社も3位)という、信心深い(?)ものたちの棲家。
そんな愛知県の歴史について、時代順にQ&A形式でまとめたのが本書だ。
今でこそ横浜在住だが、高校卒業までの18年間を豊橋で過ごし、就職後も、昨年末までの4年間は名古屋勤務だった身として、正直に告白しておきます。
地元のことなんて、実は殆ど知らなかったのだと。
熱田神宮に草薙剣が祀られた理由も、西尾のてんてこ祭りも、瀬戸窯を開いた藤四郎の伝説も、猿投神社に伝わる「棒の手」も、若き日の秀吉が矢作橋上で蜂須賀小六と出会ったというが、そもそも当時の矢作川には橋が架かっていなかったということも、木曾が尾張藩の飛地となった理由も、名古屋コーチンを生み出したのが廃藩置県で食い扶持に窮した藩士の海部荘平が始めた「武士の商法」(養鶏)だったということも、何もかも知らなかった。
特に戦国期を中心として、愛知県が生んだ偉人はなかなか多いので、愛知県に縁のない人が読んでも十分に楽しめる内容だ。ただ、やはりまずは愛知県民にオススメしておきたいところだ。愛すべき日本の中心を、今よりも親しみのあるものに。