ちょっと悪い流れかな。
滞留している。うん、何かが滞留している。
シンプルにいえば「仕事が」ということなのだけれど、本質はそこにはなくて、心のどこかに滞留の源がある気がする。流れとよどみはセットのはずなのに、小さなよどみがうまく流れていってくれない感じがして。
さて。
今日は4年ぶりに目黒を訪れた。
名古屋に赴任するまでの5年間、本当にお世話になったお客様へのご挨拶で、ちょっと早めの昼食までご一緒させていただいた。勿論、八ツ目うなぎを。
嬉しかった。箱崎に戻っていながらもう2ヶ月が過ぎてしまったけれど、きちんとご挨拶できて本当に良かった。抽斗の足りない俺は、仕事の話は殆ど出来なかったけれど、ラグビーの四方山話に花が咲いて、穏やかに、楽しい時間を過ごさせていただいて。
ご挨拶の前に、約束の時間よりも少し早めに移動して向かったSEルームも懐かしかった。当時とは別の部屋に移っているのに、空気感はさほど変わらなくて。当時からお世話になっていたメンバーの方も一部残っていて、相変わらずの雰囲気で。
改めて思った。俺は運が良かったなあと。
目黒という場所で、とても大切なものをいただいたという事実を再認識したからだ。
それは、「原点」。
まだ10年足らずのキャリアしかない身なので少々気が引けるけれど、今の自分のベースを育ててくれたのは、間違いなくこの場所だったんだ。仕事の作法や基本、知識やノウハウといったことだけではない。例えばSEルームの空気。先輩方との雑談。小さな部屋の片隅に居場所を作ること。もちろんお客様との接し方や人間関係。表情の交換。言ってしまえば、もう何もかもが。
そんなことを思いながら、田園都市線に揺られて帰ったのだけれど、鷺沼を通り過ぎたあたりで、当時のあるお客様の言葉をふと思い出した。
「仕事ってのはな」
その方とお酒をご一緒させていただいた時なんかは、よく言われていたんだ。
「要するに、ネタとオチだ」って。
ここでようやく俺は、自分の心の小さなよどみに戻ってきたんだ。今の自分のことに。
オチは見えている。あとはネタなんです。