「書く」というのは、もどかしい。
書く為には、まず1行目を書かなければいけない。
でも、1行目を書くのは、とても難しい。
書こうと思っていることはたくさんあるのに、書けない。どうしても、最初の1行目が出てこない。こうして書いていると、そんな日の繰り返しだ。不思議なもので、1行目が決まると、流れるように書けたりもする。特に変わったことを書く必要はなくて、書き終えた後に、振り返って1行目を読み返しても、特別なことがあるわけじゃない。
なのに、1行目が書けないんだ。
時には、1行目を書く為に1時間以上かかったりもする。このくらいのボリュームの文章であれば、1行目の為に費やす時間の比率は、本当に大きいよね。
いつも、不思議だなって思います。
ある1点でしか割ることの出来ない風船に水が入っているとして、その1点に刺すべき針こそが、「1行目」という感じ。その針さえ通せれば、水は自然と流れ出るのにね。こういうところが書くことのもどかしさで、つまりは自分のなかの感情であったり考えであったり、意志であったり、そういうものが文字になるまでに非常な時間がかかる、ということです。
でも、書き続けようと思ってます。
考えてみると、風船のなかになにが入っているのかなんて、正確には知ることなしに針を刺してることが、けっこうあるかもしれない。風船の中身を確かめて、さらして、そのことに自覚的であろうとする、というのは、書く理由になるかもしれないね。