社内のある方と仕事の打ち合わせをしていて、思ったことがある。
おれ自身が、抵抗勢力になりかけてるかもしれない。
実は今、お客様に対してある提案をしようとしている。その為の準備として、今日の夕方、ご提案ソリューションの担当者と打ち合わせをしたのだけれど、その打ち合わせにおいて、担当者と自分との間で意見が食い違ったんだ。
この担当者はスキルも高く、経験豊富なスペシャリストだった。それに対しておれはと言うと、残念ながら圧倒的なスキル不足が否めない若輩者、といった感じだ。なので、基本的におれとしては、担当者のスキルと成功体験をうまく活用できるような方向に進めていきたいと思っていた。
ただ、担当者とおれとでは、立場が違うんだよね。この担当者のミッションは、担当のソリューションを拡販すること。それに対しておれのミッションは、特定のお客様に対してサービスを提供すること。だから、おれの方が立場上、お客様に近いわけ。そうすると、お客様が現在置かれている環境や、お客様のカルチャー、あるいは経営上の課題やニーズといったことについては、当然ながら、おれの方が深く理解していなければならないよね。それは会社がおれに課している責任だと思うし、実際におれの方が状況を把握している、という自負もあるんだ。(とはいえ、必要なレベルにはまだ全然到達しないけれど。)
ただ、それ故に思ってしまうことがあるんだ。
はっきり言ってしまえば、提案の困難さだよね。
この担当者は、すごく大きなビジョンを持っていた。それは単なる夢物語で終わるような話ではなくて、具体的な筋書きを持ったビジョンだった。お客様の発した言葉に単純に応じただけの提案をするのではなくて、そこからより大きな絵を描こうとしていた。それはとても正しい態度だと思ったし、この方の高いスキルがあればこそのブループリントだった。
でもおれは、その時に別のことを考えてしまった。それは、過去の経緯。ここ数年続いている厳しい環境を考えた時に、どうしてもそのブループリントをお客様にぶつける「難しさ」が先に立ってしまったんだ。これまで幾度となく、同じような提案が浮かんでは消えていった。その呪縛からおれは、どうしても抜け出せなかった。そして結局、1時間以上も続いた打ち合わせの中で、明確な方向感も出せないままに終わってしまったんだ。
帰ってきて考え直すなかで、思った。おれが抵抗勢力になってる、って。
そして、うちのパートナーの「別に失うものもないし、やり方変えて失敗してもいいじゃん」って言葉を聞いた時に、その思いはさらに強くなっていった。抵抗勢力って、いちばん嫌いだったのにね。
やってみなきゃ、分からない。「難しい理由」から始める必要はないんだ。
そのことに気づくきっかけを与えてくれたことが、今日いちばんの収穫でした。